当店で作業したフライトジャケットの写真を交えて、フライトジャケットについて解説していきます。
今回は、ライトゾーン(夏季用ジャケット)についてです。
LIGHT ZONEは、+10℃~+30℃での着用を前提に作られたフライトジャケットです。
そんなこと知ってるよ!というひとはスルーしていただければ
フライトジャケット A-1
フライトジャケット A-1
「A」は、米国陸軍航空隊の夏季用飛行服に与えられるコートで、「1」ということは、一番最初に開発されたレザージャケットになります。
特徴的なのは、フロントボタンです。
1923年に開発されたジャケットですが、ファスナー自体の歴史の始まりと時代的に重なります。
当時は、まだファスナーが普及していなかったため、ボタンしか選択肢がなかったのではないかと思います。
1927年に正式採用され、1930年まで製造されましたが、フライトジャケット A-2にその座を譲りました。
時代背景は、第一次世界大戦後、アメリカが「狂騒の20年代」と言われる繁栄を享受し、1929年に始まる世界大恐慌へと突入する激動の時代です。
フライトジャケット A-2
フライトジャケット A-1をベースとして1931年に標準採用されたフライトジャケットです。
普及しだしたファスナーが採用され、襟がレザー製に変更、2連ハトメによる特徴的な襟フックが採用、ポケットフラップのボタンが隠れたドットボタンに変更されています。
また、肩部分のエポレットデザインも特徴の一つです。
1944年の皮革不足による製造中止まで様々な会社が製造していました。
第二次世界大戦中、流行の服として戦闘機パイロットに受け入れられ、マッカーサーも入手して着用していました。
フライトジャケット A-2 以降
皮革不足により空軍パイロットのフライトジャケットは1945年にナイロン製へと変更「L-2」。
その後、陸軍から独立した空軍がシンボルカラーを使った「L-2A」を開発し、「L-2B」へと繋がっていきます。
HEAVY ZONE編に続きます。