「B-3の肩の部分が破けてしまった。」
「年代物のB-3を手に入れたがサイズが、、」
レザーリフォームでは、このようなフライトジャケットB-3の修理・加工の依頼、お問い合わせが日々、数多く寄せられます。
ここではフライトジャケットB-3製品のこのような場合の修理について、詳しく解説していきます。
フライトジャケットB-3とは?
フライトジャケットB-2の後継として、1934年に陸軍航空隊で採用されたジャケットです。正式名称は「JACKET, FLYER’S EXTREME COLD WEATHER B-3」と表記します。当時 最も優れた防寒素材の一つであった羊革を用いたシープシェアリングという新しい概念を取り入れ、類稀なる防寒性を実現したジャケットで1943年まで支給されました。
軽快さとは程遠いジャケットであったため、戦闘機のパイロットからは敬遠され、主に爆撃のパイロットに愛用された経緯を持ちます。そのため「ボマージャケット」との代表格として現在も広く知られています。
フライトジャケットB-3の人気は、1962年公開の映画「War Lover(戦う翼)」にて、ファッションアイコンだったスティーブ・マックイーンが着用したことが始まりだと言われています。ファッションアイテムとして展開しているブランドとしては、フライトジャケットの代表的ブランド“AVIREX(アヴィレックス)”やヴィンテージ物を踏襲したミリタリーウェアを数多く手掛けているTOYS McCOY(トイズマッコイ)、“本物に忠実であるか”という視点で作り上げている“バズリクソンズ”が有名です。
ここでは、フライトジャケットB-3に修理が必要になった場合に、どこに相談したら良いのか、どんなことが出来るのかを紹介していきたいと思います。
フライトジャケットB-3の主な修理内容
ここからはよくあるご相談と料金を紹介していきます。
フライトジャケットB-3の革当て補修
高い防寒性を備えたB3ですが、革が薄く耐久性があるとは言えないので、おおよそ10年以上使用されたものは、比較的、破れやすくなっていると思われます。
『ハンガーにかけておいたらB-3の肩が破れてしまった』
『袖を通そうとしたらヒジのあたりが破れてしまった』
というお問い合わせは非常に多いです。肩付近や袖、ポケット周りなどが破れやすい傾向です。
B-3の場合、内側に毛があるため、スムースレザーのように破れ部分を目立たないように補修するということが出来ません。破れ部分の上から革を当てて縫製する補修感が目立つ方法になってしまいます。レザーテープやポケットに関与する場合は、レザーテープやポケットの縫製を部分的に解き、革を縫製させて頂きます。
革の色味や種類なども選べますし、革の形状もご指定があれば、それ通りに作業させて頂きます。
腕(袖先・肘)革当て修理実績
例①:リアルマッコイズ 袖先の革当て補修:2万2,000円(税込・革代込)
例②:THE FEW 袖先の革当て補修:2万2,000円(税込・革代込)
例③:アビレックス 袖先の革当て:2万2,000円(税込・革代込)
例④:アビレックス 肘の革当て:2万2,000円(税込・革代込)
肩の革当て修理実績
例①:ヴィンテージジャケット 肩の革当て:2万2,000円(税込・革代込)
革当てに使用した革は、お客様と打ち合わせしたのち、決定しております。
例②:ショット 肩の革当て:2万2,000円(税込・革代込)
革当て補修には、お客様と打ち合わせのうえ、黒い革を採用しております。
例③:アビレックス 肩の革当て2カ所:4万4,000円(税込・革代込)
革当てに使用する革は、お客様にご来店いただき、打ち合わせの上決定しております。
脇下の革当て修理実績
例:バズリクソンズ 脇下の革当て:2万2,000円(税込・革代込)
背中の革当て修理実績
例①:アビレックス 背中の革当て3ヵ所:6万6,000円(税込・革代込)
例②:ショット 背中の革当て:2万2,000円(税込・革代込)
★フライトジャケットB-3の革当て補修(革代込):2万2,000円(税込)~/1ヵ所
フライトジャケットB-3の革交換
B-3の破れには、革当て補修が主になりますが、広範囲の破損がある場合や、アジャスターベルト・レザーテープといったムートン以外のパーツが破損した場合は「革交換」をおすすめしています。
革交換をするとデザインが変わってしまうのではないかと心配になるかたもいらっしゃいますが、当店では、元のデザインや質感にできる限り近い革を厳選し、違和感のない自然な仕上がりに努め、日々多くのお客様からご満足の声をいただいております。
革交換の修理実績
例①:アビレックス 袖先の革交換:1万6,500円(税込・革代込)
穴の開いた袖の修理をご希望でした。
電話とメールにてやり取りを行い、革交換にて対応させていただくことになりました。
アイテムは郵送にてお送りいただき、作業いたしました。
例②:アビレックス レザーテープの全交換:4万9,500円(税込・革代込)
袖口やポケットのレザーテープの劣化が気になるとのご相談をいただきました。
思い入れのあるジャケットをこれからも永くご愛用いただけるよう、ご提案の結果、すべてのレザーテープ(両袖・ポケット・フロントファスナー横)を交換することとなりました。
やり取りはメールとお電話で行い、アイテムは郵送にてお送りいただき、作業しております。
★フライトジャケットB-3のムートン部分の革交換(革代込):1万6,500円(税込)/1ヵ所~
★フライトジャケットB-3のアジャスターベルトの革交換(革代込):5,500円(税込)/1ヵ所~
★フライトジャケットB-3のレザーテープの革交換(革代込):3,300円(税込)/1ヵ所~
★フライトジャケットB-3のパッチポケット(貼り付けポケット)の革交換(革代込):1万2,100円(税込)/1ヵ所~
★フライトジャケットB-3のポケット袋の革交換(革代込):1万2,100円(税込)/1ヵ所~
フライトジャケットB-3のサイズダウン
B-3のサイズダウンのご依頼で多いのが「肩幅詰め」と「袖丈詰め」、次に「袖幅詰め」になります。B-3は、もともとヘビーゾーン(摂氏−30〜−10度の寒冷地用)で使用される目的で作られた防寒用のジャケットで、尚且つ中に着こめるような大きめのサイズ展開のため、ほとんどの方にはオーバーサイズとなります。2018年頃から現在まで、世間ではオーバーサイズが主流ですので、クルーザータイプのバイクに乗車する際にB-3を着用されるお客様が肩幅や袖丈を調整されることがほとんどで、全体的なサイズダウンを依頼されるお客様は非常に少ないです。
日本の気候に対して、確実にオーバースペックとなってしまうB-3ですが、真冬のツーリングにおいては、非常に頼もしいジャケットとなります。しかし、袖が長すぎるとバイク乗車時にハンドル操作をしにくいので、袖丈詰めをお勧めします。
リサイズの採寸方法について
ご来店が可能な場合は、専門スタッフが直接採寸し、お客様に最適なサイズダウンをご提案いたします。
ジャケットの中に『セーターを着る』、『パーカーを着る』など、シチュエーションが決まっている場合は、ご来店の際にそのアイテムをお持ちください。
遠方にお住まいの方やご来店が難しい場合には、郵送でのご依頼も可能です。
その際は、ご自身に一番フィットしていると感じるジャケットを同封いただけるとスムーズです。革ジャンでなくても問題ありません。お預かりしたジャケットの寸法を基に、スタッフが最適な詰め幅を算出いたしますので、安心してお任せください。
【サイズダウン(肩幅、袖丈、袖幅)の主な修理実績】
★肩幅詰め:2万0,900円(税込)〜
★袖丈詰め:2万2,000円(税込)
★袖幅詰め:1万2,100円(税込)~
★身幅詰め:1万2,100円(税込)~
【サイズダウンのその他の修理実績】
フライトジャケットB-3のフロントファスナー交換
破れ補修の次に多い修理メニューがフロントファスナー交換です。フロントファスナーが壊れてしまった場合は、修理ではなく交換作業となります。在庫にあるYKK10号の金属ファスナーに交換させて頂きます。
上下どちらからも開けることが出来るダブルファスナーの在庫もありますのでお気軽にご相談ください。
★フロントファスナー交換(YKK代込):1万4,300円(税込)
(※ファスナーを持ち込みいただく場合も同料金になります。)
現状、YKK以外ですと以下のブランドのファスナーがご用意可能です。
(※ 仕入先の都合で、ご希望のファスナーが入手できない場合もあります。)
・riri(リリ)
・TALON(タロン)
・Raccagni(ラッカーニ)
・WALDES(ワルデス)
・CLIX(クリックス)
上記以外のブランドも、ご希望がありましたら、お探ししますので、お問い合わせください。
フライトジャケットB-3のポケット袋交換
B-3は本来、パッチポケット(貼り付けポケット)が片側にのみあるデザインですが、民間衣料の「B-3 タイプ」というものは、身幅にスラッシュポケットの入ったもので、現在では「B-3 タイプ」のほうが広く流通しております。B-3をデザインベースとして作られたであろう服も基本的に身幅にスラッシュポケットがあります。スラッシュポケットの場合、ポケット袋が本体と同じムートンで作られたものと、茶色や白のキャンバス生地で作られたものや、柔らかい生地で作られたものがあります。

それぞれ料金が異なるのでご注意ください。
もともと革の仕様のものを生地に変更して交換も可能です。
★パッチポケット(貼り付けポケット)の革交換:1万2,100円(税込)/1ヵ所
★ポケット袋交換(生地):8,800円(税込)/1ヵ所
★ポケット袋交換(革):1万2,100円(税込)/1ヵ所
フライトジャケットB-3のほつれ補修
ほつれを見つけた際は、早めの修理が大切です。
放置すると見た目が悪くなるだけでなく、さらにほつれが広がったり、どこかに引っかけてジャケット自体の劣化を早めてしまう恐れがあります。
B-3はもともとアメリカ陸軍航空隊の爆撃機搭乗員用に採用されたフライトジャケットであり、長期使用を前提につくられていません。そのため、できるだけ早めのメンテナンスをおすすめします。
★ほつれ補修:2,200円(税込)~/1ヵ所
フライトジャケットB-3の金具交換(補修)
アジャスターベルトや首元のベルトに付いている金具が、サビや劣化により腐食している場合は、交換が可能です。
B-3はもともと経年変化を愉しむジャケットであるため、「新品のようにピカピカにしたい」というご依頼は多くありませんが、金属は一度サビたり劣化したりすると、再メッキを施しても元の輝きを完全に取り戻すことはできません。
そのため、当店では在庫している似た金具に交換することをおすすめしております。
フライトジャケットB-3のボア素材の張り替え
内側のボア素材が劣化し、ボロボロになったり肌触りが悪くなった場合でも、新しいボア素材を上から重ねることで、まるで新品のようなボアにすることが可能です。
「ふわふわのボアを重ねるとサイズが変わってしまうのでは?」と心配される方もいらっしゃいますが、実際には数ミリ程度の違いにとどまりますので、安心してご依頼ください。
フライトジャケットB-3オリジナルの場合
フライトジャケットは、もともとアメリカ陸軍航空隊の爆撃機搭乗員用として採用されたジャケットです。
現存しているものは高値で取引されていますが、当時(1934年~1943年)の製品は日常的な着用には適していません。
着用するために補修することは、当時の戦闘機を再び飛ばせるよう修理するようなもので、メンテナンスにも限界があります。
当時のアイテムを着用に耐える状態へと蘇らせるのは困難ですが、同じ型をもとに新しくジャケットを製作することは可能です。
オリジナルをバラすことなくパターンを起こし、再現制作いたします。
ぜひ一度ご相談ください。
レザーリフォームでの参考料金
・革当て補修(革代込) 2万2,000円(税込)~/1ヵ所
・サイズダウン(肩幅詰め) 2万0,900円(税込)〜
・サイズダウン(袖丈詰め) 2万2,000円(税込)
・サイズダウン(袖幅詰め) 1万2,100円(税込)〜
・サイズダウン(身幅詰め) 1万2,100円(税込)〜
・サイズダウン(着丈詰め) 2万9,700円(税込)〜
・フロントファスナー交換(YKK代込) 1万4,300円(税込)〜
・パッチポケット(貼り付けポケット)の革交換 1万2,100円(税込)/1ヵ所
・ポケット袋交換(生地) 8,800円(税込)/1ヵ所
・ポケット袋交換(革) 1万2,100円(税込)/1ヵ所
・ほつれ補修 2,200円(税込)~/1ヵ所
・クリーニング・染め直し 2万9,700円(税込)
・革交換 1万6,500円(税込)~
※ 詳しい修理内容についてはリンクをクリックすると上の詳細説明に移動します。
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