「サメ革」は、エキゾチックレザーの中でも根強い人気があり、一般的には「シャークスキン」と呼ばれています。
「シャークスキン」は、筋繊維が緻密である為、しなやかで丈夫な性質をもっていて、傷がつきにくく、海の生物の為、水に強いことが特徴的です。
「牛革」や「豚革」などと違い「シャークスキン」には毛根がありませんので、水を通しにくく、濡れてしまっても縮みにくい革になります。
また、頭から尾ヒレにかけて、連続した細かい網目状の凹凸したシボ(大型のサメの場合は、シボが大きくなります)がある為、質感はザラザラとしていますが、使い込んでいくほどに艶が深まり、より味わい深い表情を見せてくれるので経年変化を楽しめる革としても知られています。
日本でも人気のスイスの高級時計メーカーであるROLEX(ロレックス)やBREITLING(ブライトリング)などのブランドが腕時計の革バンドに「シャークスキン」を使用していたり、シルバーアクセサリーのブランドのGaboratory(ガボール・ガボラトリー)がバイカーウォレットのインレイなどで「シャークスキン」を使用しています。
「サメ革」の加工は、「牛革」や「豚革」などの一般的な皮革とは、異なる技術が必要とされていて、染色や加工に手間暇がかかることや、他の動物と違い養殖することが難しいので全てが天然物になることで希少価値の高い革になります。
現存するサメの種類は、370種を超えていますが、その中でも革として利用出来るものは、約20種程度となります。
日本の宮城県 気仙沼市の港で漁獲される「ヨシキリザメ」(体長1.5~3mほどの中型のサメ)は「シャークスキン」として最高品質を誇るものになります。
「ヨシキリザメ」の肉には、独特の弾力がある為、かまぼこや、ちくわ、はんぺん、魚肉ソーセージの材料として欠かすことが出来ないものになります。
また、「ヨシキリザメ」の尾ヒレは、中華料理の高級食材であるフカヒレの原料にもなります。
ちなみに世界三大漁場の1つである三陸沖を操業域とする気仙沼漁港は、サメの水揚げ量が日本一で、なんと国内で水揚げされるサメの90%を占めています。
また、世界で最もサメを食べている国は実は、私たちの住んでいる日本なんです。