カバ革は、「ヒポレザー」と呼ばれ、「エレファントレザー(ゾウ革)」が「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」、通称「ワシントン条約」によって輸出入の禁止措置が取られ、極めて入手しにくくなった時代に見た目が似ていることから一時的に代用品として流通していました。
現在では、「エレファントレザー(ゾウ革)」が極僅かですが、完全禁輸措置が取られていた頃と比べると手に入りやすくなったことと、「ヒポレザー」も現在は「ワシントン条約」で、輸出国の政府が発行する許可証が必要となっており輸入が大変厳しく制限されている為、流通量、知名度ともに低く入手が極めて困難な革となっています。
「ヒポレザー」は表面の層を取り除く為、起毛だったスエードやヌバックのような質感で、強度も「エレファントレザー(ゾウ革)」同様に耐久性に優れ、水にも比較的強く、細かく不規則に入ったナイフで刻んだようなシャープで深い溝が独特で特徴的です。
ある程度水をはじき、摩耗にも強い特徴からブーツや財布などに使用されていて、あのGABORATORY (ガボラトリー/ガボール)でも「ヒポレザー」を使用した財布を出しています。
ただ、どうしても「エレファントレザー(ゾウ革)」のほうが人気がある為、「ヒポレザー」を使用した商品自体が少なく値段も高いです。
カバは、現在ではアフリカ大陸 (主にサハラ砂漠からナンビアにかけての南アフリカ)のみに生息していて1日のほとんどを水中で過ごしていますが、泳ぐ事は出来ません。
体の比重が水よりもわずかに大きく体が水に沈む為、水底を歩くことが可能です。
また、呼吸の際に肺を大きく膨らませて、水に浮かぶことも出来ます。
平均体長3.5~4m、平均体重1.2~2.6tにもなり陸上動物としては象に次ぐ重さになり、大きな雄になると体長が5mを超え、体重は4.5t近くになるものもいると言われています。
カバは、その可愛らしい外見からか、 いかにも温和でどんくさそうであり、のんびりしていて、近づいても安全という印象を持たれる方が多いと思います。
しかし、野生のカバは獰猛な面も持っており、自分の縄張りに侵入したものはライオンやワニ、人間だけでなく、他の縄張りから来たカバを攻撃することがあります。
雄同士の縄張り争いにおいて大きな口と巨大な犬歯が強力な武器となり、死亡、瀕死の重傷を負う個体も少なくありません。
事実としてアフリカ大陸で、カバに殺される犠牲者数は他のどの野生動物に殺される数より多く、年間で約2900人にも上るそうです。
これは川辺のカバの縄張りに誤って侵入したことが原因とされます。
河で静かにじっとしているイメージのカバですが、瞬発力は強烈で、思いもよらぬスピード(短い距離なら時速40km程で走ることが出来る)で河からいきなり飛びかかってきて殺されてしまうケースが多いそうです。