「カンガルー革」は、一般的に「カンガルーレザー」と呼ばれていて、その外見は、高級皮革である「カーフスキン(牛革)」と非常によく似ています。
しかしながら、「カンガルーレザー」のほうが銀面(革の表面)に傷やシワが多い為、「カーフスキン(牛革)」と比較した時に見た目が悪い物が多いです
また、カンガルーはオーストラリアの国獣(国を代表・象徴する動物)で、オーストラリア政府の管理下で年間の捕獲量が制限されている為、そもそもの流通量が少なく、傷が少ない「カンガルーレザー」は高級皮革である「カーフスキン(牛革)」よりも価値があると言われています。
「カンガルーレザー」は繊維質が緻密な為、「牛革」の3倍以上の強度があり、言いかえれば3分の1の厚みで同じ強度となりますので、かなり薄く加工することが可能です。
衣料革としては、まるで布のような柔らかさを実現させる数少ない革になります。
ISAMU KATAYAMA BACKLASH(イサムカタヤマバックラッシュ)では「カンガルーレザー」を使用したダウンジャケットを、高級ラインであるISAMU KATAYAMA BACKLASH THE LINE(イサムカタヤマバックラッシュ ザ ライン)のジャケットの裏地には「カンガルーレザー」をスエード(リューターヤやサンドペーパーなどで磨き起毛させたもの)に加工したものが使用されています。
また、元NUMBER(N)INE(ナンバーナイン)の宮下貴裕が立ち上げたTAKAHIRO MIYASHITA The Soloist.(タカヒロミヤシタザソロイスト)のレザージャケットでは、ポケット袋に「カンガルーレザー」が使用されていたりもします。
上記のような流行りのブランドのジャケットの素材として使用されている「カンガルーレザー」ですが、実は最も顕著に使用されているのがサッカーや野球選手などが履いているスパイク(スパイクシューズ)で、「サッカーシューズに最適な素材」としても知られています。
「カンガルーレザー」のスパイクは、履いているうちに革自体が伸びて自分の足の形になります。
最初は、少しきつかったり、サイズが小さくても、長く使用することにより自分の足にピッタリあったスパイクとなり、素足感覚でボールを蹴ることが出来るそうでプロのサッカー選手が愛用しているスパイクは「カンガルーレザー」であることが多いそうです。
ただし、全ての天然皮革に言えることですが、湿気に弱い為、雨の日の試合や練習で使用すると革が傷んでしまうこともあるので注意して下さい。