「革ジャンの袖詰めはできる?」
「ライダースの袖丈が長いんだけど」
「レザージャケットの袖丈詰めはいくらですか?」
「革ジャンの袖が長いです」
レザーリフォームでは、このように革ジャン、レザージャケット、ライダースジャケットの袖丈詰めに関するご相談についてもお問い合わせいただいております。
袖丈は、リサイズの中で最も多い作業で、過去に数千件の作業をさせていただいています。
袖丈が長いとせっかくの革ジャンを着こなすことが難しいですよね。
ここでは革ジャンの袖丈詰め修理について、詳しく解説していきたいと思います。
Contents
レザージャケットの袖丈直しのやり方・特徴
革ジャン、レザージャケット、ライダースジャケット、ライディングジャケット、様々なジャケットがありますが、袖丈詰めの方法は3つになります。
方法1:肩から詰める
袖を一度取り外し、短くしたうえで、再度胴体と縫製し直す方法になります。
肩から詰める場合のポイントは、いかに着心地を損なわないように詰めるのか、ということです。
通常、袖は肩から袖先にかけて徐々に細くなっています。
袖を胴体から取り外して、何も考えずに袖の長さを短くして、胴体と再度取り付けようとしても、胴体と袖側の穴のサイズが合わなくなってしまいます。
この整合性が取れなくなった際に最初に犠牲になるのは「イセ込み」と呼ばれる着心地の良さを生むためにあえて袖側の寸法を大きくしてある部分です。
元々、バイクに乗るために腕を上に上げる前提で作られている革ジャン(ショットやバンソンやラングリッツ、エアロレザーなど)はイセ込みがあまりありません。
山の高さが低く、袖付けの角度が急ではないため、イセ込む必要が無いためです。
一方、スーツの上着のようなテーラードジャケットはイセ込みが結構あります。イセ込まないと、肩の筋肉の膨らみをカバーすることが出来ないためです。
そのため、いせ込みが無くなるという観点において、肩から袖丈詰めを行うと着心地が悪くなりやすいのは、ライディングジャケットよりもテーラードジャケットになります。
スーツのように腕が真下に降りているジャケットほど、山が高くイセが多いので、肩から袖丈詰めの難易度が高いということになります。
肩から袖丈詰めを行う際に、最も難しいのはカットラインの引き方です。
例えば、袖丈を肩から3cm詰めようと思った際に、肩山、前側、カマ底、後ろ側、を3cm均等に詰めると、とんでもないことになります。
そういった作業を行った写真や動画を掲載されている業者がありますが、正直、信じられません。
着心地が悪くなったというお客様の意見を、無視し続けているということだと思います。
山の形状を維持しなければ、肩の筋肉の前後の厚み分の可動範囲を削ることになります。
肩山と、カマ底を同じ寸法詰めるということは、アームホールの寸法が変わりますが、ちゃんと図っているとは到底思えません。
挙句の果てに、身頃側をいせ込んで、寸法を無理やり合わせているとしたら、着心地どころか変なシワが入り、見た目も変わってしまいます。
ネットや動画で上位表示され、実績があると信じて依頼したお客様の品物が不憫でなりません。
不幸なのは、そういった品物を持ち込まれても、カットされたラインを復元することは出来ないために、袖自体を作り直さなければならないということです。
方法2:袖先から詰める
筒袖の場合
筒袖とは袖口にボタンやファスナー、開きが何もない、一番シンプルな袖のことです。
筒袖を袖先から袖丈詰めをするのは、一見簡単に見えますが、難しいのは見返しとの整合性です。
一般的に筒袖では表の革がそのまま袖口で折り返して裏側に来ています。
袖口にかけて徐々に細くなっている袖を、そのままの自然なラインで裁断して、袖口を折り返します。
そうすると、表側と裏側の革の寸法が異なる寸法になってしまい、袖口に変なシワが寄ってしまいます。
そうならないためには、表側と寸法が一致するように、見返しも袖口を最も細くしてそこから徐々に太くしていかなければなりません。
袖口にファスナーが付いている場合
袖口にファスナーが付いている場合は、ファスナーの長さを短くするか、ファスナーの長さは現状のままでファスナーを上に移動するか、になります。
ルイスレザーは左袖先ファナーの上に、チケットポケットがあるため、上に移動しようとするとチケットポケットに干渉するため、構造上、ファスナーは上に移動が出来ません。
袖口ファスナーは、構造が大きく分けて2パターンあります。
ルイスレザー、アディクトクローズや、サンローランなどは、表地と裏地が別パターンになっており、表地と裏地をそれぞれ完成させて見返しに裏地を縫えば仕上がる構造です。
バンソン、リックオウエンスなどは、表地と裏地が同一パターンになっており、ファスナーマチの空間が裏地にも開いており、縫製手順が複雑になります。
前者の構造は比較的わかりやすいのですが、後者の構造だと結構ややこしい場合もありますが、
当社では基本的に元と同じ構造で作業させていただいております。
袖口にリブニットが付いている場合
袖口にリブニットが付いている場合は、リブニットを一旦取り外し、本体側を短くしたのちに、リブニットを再度取り付けます。
作業としてはシンプルですが、リブニット付け根部分の革側に、ステッチが入っている場合は縫製するのが困難になる場合があります。
リブニットが付いているジャケットは、A2やG1などのフライトジャケットや、スタジャンになりますが、これらのジャケットはアウトシームの縫い代が片倒しのステッチになっています。
片倒しのステッチということは、それだけで革が3枚、袖口のリブ付け根で折り返してステッチだと、計6枚とリブニットになります。
革の厚みが1.2mmあった場合、1.2 × 6 + リブの厚みで、計8mm以上の厚みを縫わなければなりませんので、服を縫うような普通のミシンでは縫えないどころかミシンに入れることすら困難です。
袖口にカフスが付いている場合
袖口にカフスが付いている場合、カフス部分を一旦取り外し、本体側を詰めてからカフスを再縫製します。
本体側に開き(スリット)がある場合、基本的にはスリットは詰める分だけ短くなります。
スリット部分は、開き部分の見返しと、持ち出し分の縫い代が無いと上に移動することが出来ないためです。
どうしてもスリットの長さを変えずに上に移動したい場合は、追加料金になりますが、構造を少し変えて革を継ぎ足せば違和感なく上に上げることも可能です。
方法3:ヒジで詰める
ヒジに縫い目がある場合や、縫い目を追加してもOKであれば、その縫い目で袖丈を短くすることも可能です。
立体的な構造のレーサージャケットやライディング、パッチワークのジャケットなどは、肘に縫い目がある品物もあります。
そんな革ジャンの袖丈にお直しが必要になった場合に、どこに相談したら良いのか、ここでは紹介していきたいと思います。
レザージャケットの袖詰めの修理について
ライダースジャケットの袖丈の修理方法は大きく分けて2つの方法があります。①正規店(並行店)での修理か、②修理専門店での修理です。
正規店に依頼する場合と、一般の修理業者にする場合とで、メリットとデメリットを比較してみましょう。
①正規店のメリット
まず、正規店に依頼する場合のメリット。
- 本物であれば修理受付してくれるが、並行輸入品、海外購入品はブランドによっては修理を受付けない場合がある
- ハイブランドなどは、ギャランティ―カードや領収書、購入保証書がないと修理を受け付けない場合がある
- オリジナルのパーツで修理してもらえるが、修理金額が高額になる場合が多い
- 見積もりや納期に長く時間がかかる場合が多い
②修理専門店(レザーリフォーム)のメリット
続いて、一般の修理業者に依頼する場合のメリット。
- 入手ルートに関わらず修理の受付が可能(保証書等も不要です)
- 純正品、純正パーツは再利用、パーツがない場合には類似のものと交換
- 修理費用は正規店と比較して安価
- 見積もりや納期は正規店と比較すると圧倒的に迅速
③まとめ
以上のように、革ジャンの裏地の修理については、正規店に依頼する場合と、一般の修理業者にする場合とで、それぞれにメリットがありました。どちらの方法を選択するかは、お客様のご予算やご希望によって異なりますが、正規店でご購入されたものでれば、まずは正規店にご相談してみるのが良いでしょう。
修理代の相場については、正規店と専門店、両方に見積もりを出してもらうのが確実ですが、正規店での修理代金は修理専門店の1.2倍~2倍くらい、基本的には正規店の方が少し高いことが多いです。
なお、正規店であっても、修理専門店であっても、状態によっては修理が不可能な場合はあります。ただ修理可能かどうかの基準は正規店と修理専門店とで異なりますし、修理専門店の中でも変わってきます。正規店に断られてしまった場合でも、修理専門店の場合には修理ができる場合がありますので、幾つかの店舗に相談してみるのをオススメします。
レザージャケットの袖丈の主な修理内容と直し方
- ライダースのファスナー付きの袖詰め
肩から詰めるか、ファスナーを一旦外して短くして再縫製します。 - テーラードジャケットの袖丈詰め
袖口の開きとボタンホールなどがある場合、肩から作業させていただきます。 - フライトジャケット(A-2、G-1、B-3)の袖が長い
A-2、G-1はリブニットを一旦取り外して袖を短くしてからリブニットを再縫製、B-3はカフスを一旦取り外して袖を短くしてからカフスを再縫製する方法で、袖丈詰めをします - リックオウエンスなど、複雑なデザインの袖丈詰め
可能な限りデザインを崩さずにご希望の寸法を詰められるように検討して作業方法を提案させていただきます。
ライダースジャケットの袖丈詰めのお直し行程
ライダースジャケットの袖丈詰めの主なお直し内容として、肩から袖丈詰めを題材に、お直し工程について紹介していきます。
具体的な修理工程を見ていきます。
① 「ほどき」
まずは袖を外していきます。ヴィンテージの革ジャンや、革が弱ってボロボロになっている場合もありますので、必要に応じて道具を使い分け慎重に外していきます。
② 「ライン引き」
外した袖に、裁断ラインを引いていきます。
引き方は企業秘密ですが、可能な限り着心地を変えない工夫が、ライン引き一つにいくつも詰まっています。
元の縫い代が一定でない場合は調整したり、袖付けの角度やショルダーポイントも必要に応じて変更します。
③ 「裁断」
引いたラインを裁断していきます。ズレないように慎重に作業を行います。
④ 「縫製」
経験豊富なスタッフが元通りに縫製していきます。
身頃側にステッチが入っている場合は、元の針孔に通していきます。
革は生地と違って穴が開いてしまうと元に戻すことは出来ないため、丁寧な作業が要求されます。
以上、ライダースジャケットの肩から袖丈詰めについてご紹介でした。
レザーリフォームでは666、ショット、バンソン、ラルフローレン、サンローラン、マルジェラ、バックラッシュ、エンメティ、クロムハーツ、、その他ブランド問わず、袖丈修理について、ご相談を承っております。お気軽にご連絡ください。
レザーリフォームでの修理実績
ルイスレザー 革ジャンの袖丈直し
バンソン ライダースの袖丈 直し
ショット 革ジャン、ライダースの袖詰め
クロムハーツ ライダース、革ジャンの袖丈詰め
ムートンジャケット 袖丈詰め
フライトジャケットの袖丈詰め
リックオウエンス 袖丈詰め
サンローラン 袖丈詰め
エンメティ ライダース袖詰め
バックラッシュ レザージャケットの袖丈直し
レザーリフォームでの参考修理料金
修理内容 | 値段 |
---|---|
袖丈詰め | 1万7,600円(税込) |
ムートンの袖丈詰め | 2万2,000円(税込) |
クロムハーツの袖丈詰め | 2万2,000円(税込) |
袖先幅を調整する場合 | +4,400円(税込) |
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※ 現物確認後のキャンセルの場合、着払いでの返送になります。
※ 材料を用意する場合、材料が用意出来てからの納期のカウントとなります。
作業上の注意点や確認事項がある場合は、お電話かメールにてご連絡させていただきます。
作業内容が明確になり、注意点をご理解いただいた上で、以下の内容が記載された作業開始のメールをお送りします。
・作業内容
・納期(修理完了品の発送日/受け渡し日)
・作業料金
・お振込先
入金の期日は特に設けておりませんので、お客様のご都合の宜しい時にお振込下さい。
※作業完了時にご入金が確認できていない場合は、完成品の発送を行うことはできません。
発送が完了しましたら、発送番号を記載した発送完了のメールをお送りしますので、ご確認の上、ご依頼品の受け取りをお願いします。
※ご入金が確認できていない場合は、完成品の発送を行うことはできません。
4~8月 9時~12時、13時~17時
9~1月 9時~12時、13時~19時
2~3月 9時~12時、13時~18時
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