今回、ご依頼頂いたのは、ヴィンテージのヴィトンの再生です。
具体的な作業としては、ファスナー交換、内装交換になります。
古いバッグなので、構造も今のヴィトンとは少し違う印象です。作り込みの方向性がトランクの製造がバックボーンにあることを感じさせますね。
作業前の状態
全体像です。これだけ見ると、そのまま使えそうにも見えますが、実はそんなことは無いんです。
ファスナーの金属部分は錆でボロボロになり、布のテープ部分も劣化で抜け落ちています。
スライダーを少し動かす事すら不可能な状態です。
反対側も同様です。
真上から撮影した写真です。
色んな角度から撮影してみました。
作業工程
作業工程の写真です。
とりあえず、バラします。古いヴィトンなので、いたるところが劣化しており、分解するのもかなり神経を使います。
分解してはその個所を補強、また別の場所を分解して補強、をひたすら繰り返します。分解出来たら作業の半分くらいは終わったような気分です。
底板とサイドの板部分を残して、裏地を貼り込み、ファスナーを縫製、形を作っていきます。
縫製時の押さえ金も広範囲に影響が及ず、円滑に縫えるように、自分たちで削り出した特注の押さえ金を使って縫製していきます。
両サイドのヘリ巻き革を残して縫製が終わりました。
最後に、両サイドのヘリ巻き革を縫製し、両サイドと底の板をはめ込み、終了です。
作業後の状態
今回の修理のポイントは、全体的に劣化しているパーツをいかに傷つけずに分解、再構築を行うのか、また硬化と劣化が見られる板部分の素材選びにも苦慮しましたが、お喜び頂ける仕上がりになったと思います。
お客様の声
N・I(神奈川県 在住)さま
きれいにして頂きありがとうございました。
33年前、独身時代に買った思い出のルイヴィトン。ファスナーが壊れて、使わないまま置いてあったら、内装の布もいつのまかボロボロに。
捨てようかと置いてあったところ、娘が、今はないタイプのヴィンテージヴィトン、直して使いたいと言いますので、銀座のルイヴィトンにお直しの見積もりをお願いしたら、30万円以上かかると言われ、すごすご持ち帰り、あきらめておりましたところ、友人に、レザーリフォームさんを勧められ、お願いしました。
きれいになって、ちゃんと使えるようになり、とても嬉しいです。娘に譲る前に、まだまだ私が使います。
ありがとうございました。