「バッグの持ち手のコバがベタベタするのですが、塗りなおせますか?」
「財布の角が剥がれ始めています。コバを補修してもらえますか?」
「二つ折り財布の真ん中の部分のコバ補修をお願いします。」
レザーリフォームには、このように革財布やレザーバッグに関するコバ補修のご相談を多数いただきます。
レザーアイテムを長く愛用していると、表面の革だけではなく、バッグの持ち手や財布の縁部分などのコバの劣化が気になってくることがあります。
コバが劣化すると見た目が悪くなるだけでなく、表面がベタベタするケースもあります。
ここでは、レザーアイテムにおけるコバの役割や劣化の原因、コバ補修の方法についてご説明していきます。
コバとコバ処理(バニッシュ加工)について
革製品における「コバ」とは、革を裁断した際に現れる断面部分、いわゆる革の切り口のことを指します。
革はそのまま裁断しただけでは、断面に革の繊維が露出しているため、毛羽立ちやざらつきがあり、見た目もあまりきれいではありません。
また、コバを切りっぱなしの状態にしておくと、使用中の摩擦や水分などの影響を受けやすくなり、そこから革の繊維が傷んでしまうことがあります。
そのため、財布やバッグなどの革製品を仕立てる際には、コバに適切な処理を施します。これを「コバ処理」と呼びます。
コバ処理を行うことで、革の断面にある繊維を保護し、見た目を美しく整えるだけでなく、革製品の耐久性を高める役割も果たしています。
革製品のコバ処理には、革の種類や製品の仕様に応じてさまざまな方法があります。
コバを磨いて滑らかに仕上げる方法や、革の端を折り返す方法、ヘリ巻きで革の断面を包み込み目立たなくする方法、専用の塗料や仕上げ剤を用いてコーティングする方法(バニッシュ加工)などが代表的です。
その中でもここでご説明する「コバ補修」とは、塗料を用いたコバ処理の補修(バニッシュ加工)を指します。
コバに使用される塗料は、アイテムや革の素材に応じてさまざまな種類があり、塗料の粘度によっても仕上がりの質感や見た目が変わります。
コバが劣化する理由とコバ補修(バニッシュ補修)について
レザーアイテムは長く使用していると、革に含まれる油分や水分が少なくなり、徐々に乾燥していきます。
革が乾燥して柔軟性を失うと、折り曲げたり動かしたりした際に革へ負荷がかかりやすくなります。
特に財布の折り目やバッグの持ち手など、日常的に動かしたり力が加わったりする部分では、その影響がコバにも現れます。
その結果、コバの塗料がひび割れたり、革との密着が弱くなって剥がれたりすることがあります。
コバ補修(バニッシュ補修)とはコバ処理されている箇所を補修することで、主に塗料の塗り直しです。
ただし、コバの塗料にひび割れや剥がれが見られる場合は、単なる表面的なダメージではなく、すでに革の内部まで乾燥や劣化が進行しているサインであることが少なくありません。
このような状態でコバだけを補修すると、一時的にはきれいに仕上がったように見えても、革そのものの乾燥や劣化が改善されたわけではありません。
そのため、補修後にアイテムを使用することで革が再び動いた際に、コバに負荷がかかりひび割れたり、塗料が剥がれたりして、場合によっては短期間で元の状態に戻ってしまうケースがあります。
当店では、コバの状態だけを見て補修をするのではなく、革そのものの状態も確認したうえで補修方法をご提案しています。
コバの表面的な擦れや軽度の劣化であれば、コバ補修(バニッシュ補修)によって改善できる場合がありますが、革自体の乾燥や劣化が進んでいると判断した際は、以下の修理を案内場合があります。
バッグの持ち手のコバが剥がれている場合
バッグの持ち手は、使用する際に最も手に触れる部分であり、革が変形しやすく、手の水分や皮脂なども日々蓄積されるため、バッグの中でも特に負荷がかかりやすい箇所です。
そのため、コバの塗料にひび割れが見られる場合、表面的な塗料の劣化だけでなく、内部の革自体にも劣化が進んでいるケースが少なくありません。
また、一度塗られたコバ塗料を剥がし、再度塗り直す作業は、新しい革に塗料を施す場合と比べて難易度が高く、塗料の定着や仕上がりを完全に元の状態へ戻すことはできません。
実際に、他店でコバ補修されたお客様が、数回程度の使用でコバが剥がれて持ち手交換を希望されるケースが見受けられます。

こうした理由から、当店では、持ち手の土台が傷んでいる場合や、革自体の劣化が進んでおり、コバ補修だけでは十分な修復が難しいと判断した場合には、持ち手交換での対応とさせていただいております。
バッグの持ち手修理交換についてはこちらで詳しくご説明しておりますので、ご参照ください。
全体的に剥がれや色落ちがある場合
コバに傷みや塗料の剥がれが見られる場合、コバだけではなく、革の表面にも色落ちや色褪せ、汚れ、擦れなどのダメージが見られることがあります。
こうした状態でコバだけを補修すると、コバはきれいに整っても、革の表面との状態に差が生じてしまう場合があります。
当店では、革の表面に色落ちや色褪せ、汚れ、キズなどが見られる場合、アイテム全体のクリーニングや染め直しの工程の一部として、必要に応じてコバの簡単な補修も行っています。
クリーニング・染め直しについてはこちらで詳しくご説明しておりますので、ご参照ください。
コバ補修についての注意点
当店のコバ補修は熟練の職人が丁寧に行いますが、再度剥がれる可能性が極めて高い作業です。
「こんなはずではなかった」とならないよう、コバ補修をご希望の際は以下の点をご理解いただきご依頼ください。
- コバ補修は再度剥がれるリスクの高い作業です。
- アイテムを使用することで再びコバ処理が剥がれる可能性があります
- アイテムを使用することでひび割れる可能性があります
- 元のコバと質感がかわってしまうことがあります
- コバの塗料が剥がれていた部分に段差ができてしまうことがあります
コバ補修は、劣化した部分をできる限り整えてきれいな状態に戻す作業ですが、革そのものの経年劣化まで元の状態に戻すものではありません。
そのため、アイテムの状態によっては、コバ補修ではなく革交換など、別の修理方法をご提案する場合もございます。あらかじめご理解いただいたうえでご依頼ください。
コバ補修の修理実績(例)
レザーリフォームでは、これまでにバッグや財布のコバ補修を多く行ってきました。
ここでは、過去の修理実績をご紹介いたします。ぜひ、ご依頼の際の参考になさってください。
バッグのコバ補修
例① マイケルコース バッグ 持ち手とショルダーベルトのコバ補修:1万7,600円(税込)
持ち手2本とショルダーベルトのコバ補修を行いました。
例② HENRI DANDEL バッグ持ち手のコバ補修:1万7,600円(税込)
持ち手のコバ補修を行いました。
例③ マイケルコース バッグ持ち手のコバ補修:8,800円(税込)
持ち手のコバが剥がれている箇所のみ部分的に補修を行いました。
持ち手のみ配送にてお送り、作業しております。
例④ マイケルコース バッグ持ち手のコバ補修:1万7,600円(税込)
持ち手の擦れが気になるとのことでした。
当初は持ち手の革交換をご希望でしたが、似ている革が在庫になく、コバ補修をいたしました。
また、バッグ本体との付け根部分の劣化については持ち手を短くすることで対応しております。
なお、アイテムは配送にてお送り、作業しております。
※こちらのアイテムは付け根の切れている部分を無くす目的で、別途料金にて持ち手の長さ詰めを行っております。
財布のコバ補修
例① プラダ 長財布 レザープルタブのコバ補修:4,400円(税込)
ファスナー持ち手のレザープルタブのコバを補修いたしました。
塗料に厚みが出るように、塗る作業を繰り返し仕上げております。
なお、アイテムは配送にてお送り、作業いたしました。
例② エトロ 長財布 ファスナープルタブのコバ補修とクリーニング・染め直し:1万5,400円(税込)
クリーニングと色の補正、目立つほつれがあるとのことで、クリーニング・染め直しをいたしました。
コバ補修に関しては簡易的な塗料の塗り直しをしております。
なお、アイテムは配送にてお送り、作業しております。
例③ ヴィトン ダミエ 財布 財布外周のコバ補修とほつれ補修:3万0,800円(税込)
財布の外周のほつれを補修し、コバの補修を行いました。
劣化した、中の生地がみえないようにコバで隠しております。
なお、アイテムは配送にてお送り、作業しております。
例④ セリーヌ 長財布 角のコバ補修:1万7,600円(税込)
角4カ所のコバ補修を行いました。
アイテムは配送にてお送り、作業しております。
例⑤ FURLA 財布のコバ補修:3万5,200円(税込)
コバの塗料が厚くそのまま重ね塗りすると剥がれやすいため、一度既存の塗料を完全に除去してからコバ補修を行いました。
なお、アイテムは配送にてお送り、作業しております。
レザーリフォームでの参考修理料金
現状の縫製状態およびご希望の仕上がり内容に応じて、現物確認後にお見積りをご案内いたします。
また、内容によってはお見積りにお時間をいただく場合がございます。
掲載している料金はあくまで目安となり、実際の金額は現物確認後に変更となる場合がございますのでご了承ください。
| 修理内容 | 値段 |
|---|---|
| バッグのコバ補修 | 4,400円(税込)~ |
| 財布のコバ補修 | 4,400円(税込)~ |
| 既存のコバの除去 | 作業料金×2倍 |



















































